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コラム/リサイクル産業

存在感を強める静脈産業 
リサイクルが作る未来の資源

いきなりですが「静脈」と聞いてあなたは何を思い浮かべるでしょうか?
多くの方は血管をイメージすると思います。心臓から血液を送りだす役割をするのが動脈で、心臓に血液を戻す役割をするのが静脈です。

ちなみに静脈の色といえば青のイメージですが、なんと…… 実は血管の色は灰色らしいのです。でも、自分の手首や手の甲に浮き出ている静脈を見ると、青っぽく見えます。それなのにナゼ? これは錯視(視覚による錯覚のこと。形や大きさ、長さ、色などが実際のものとは異なって知覚されること)によるもので、血管の周りにある肌の色との対比によって青色に見えているそうです。2014年に立命館大学の教授が発見したと話題になっています。理科の授業で教わってから「静脈は青い」と信じていたため、ちょっとした驚きでした。

業界で使われる「静脈産業」とは何か

さて、当コラムは「リサイクルの未来」。前置きが長くなりましたが「静脈」といっても血管の話が本題ではなく、産業についてのお話です。

「静脈産業」という言葉をご存知ですか? この言葉、一般には聞き慣れないものかも知れませんが、業界ではよく出てくる単語です。デジタル大辞泉によると静脈産業は「生産・消費活動から排出・廃棄される不要物を回収し、再生利用・再資源化したり適正に処分したりする産業」とあります。リサイクルやリユースに携わっている川島グループは、この静脈産業に当てはまります。一方、メーカー(製造業)など資源を加工して製品を生み出す産業のことを「動脈産業」と呼びます。動脈が酸素や栄養素など必要なものを体の隅々まで送り届け、静脈が二酸化炭素や老廃物などを回収して再びきれいな血液にするために必要な場所へ運ぶ。この血液がうまく循環する仕組みを経済活動に例えてこの呼び方がついています。

近年は、持続可能な社会を目指して様々な取り組みが行われています。社会的関心として話題に上がるE Vシフトもその流れの一つです。そんな中で気になったのが「都市鉱山を日本の切り札に」という内容の記事。EVの動力源であるリチウムイオンバッテリーに不可欠な原料となるのがレアメタルです。ただし、レアメタルはほぼ輸入に頼っているのが日本の現状です。また、希少金属と名の付く通り、その背景は埋蔵量が少なかったり、産出国が偏っていたりと調達に少なからず不安がつきまとっています。当コラム「コロナ禍に増す危機意識 レアメタル備蓄を知る」でも取り上げましたが、レアメタルは国家での備蓄が行われていて資源戦略の一つにもなっています。

次世代のものづくりは静脈産業の存在が不可欠

EVシフトの加速で戦国時代に突入した感のある自動車業界。レアメタルはEV覇権争いの鍵とされ、世界的にレアメタルの争奪戦が始まっています。その中で資源を持たない日本にとって、いかにしてレアメタルを確保していくかは大きな課題です。そこで注目されるのが使用済みリチウム電池などの都市鉱山であり、「将来的には年間のリチウムイオン電池生産量の2〜3割がリサイクル由来になる可能性もある」との見立ても。

大量消費、大量生産、大量廃棄のもとに行われてきたこれまでのものづくりでは、動脈産業に大きなウエイトが置かれていました。しかし、今はSDGsに対する理解が広がり、ビジネスにも大きな影響を与えています。世界が循環社会を目指す次世代のものづくりは、静脈産業の存在を抜きにしては語れません。動脈産業と静脈産業の連携は不可欠であり、良いバランスで連携することで高度な循環社会と明るい未来が拓けてくるのではないでしょうか。

SDGsの影響は進路や採用活動にも

季節は春めき、企業はフレッシュな新入社員たちを迎える時期となりました。同時に次年度の採用活動が本格的にスタートしています。そんな進路や採用に関しても興味深い内容が一つ。高校1年生による企業訪問についての話です。1年生での企業訪問実施は目的があり、SDGsへの取り組みを含めて企業を理解し、変化の激しい時代に社会貢献しながらどう繁栄していこうとしているかを文理選択前に学び、将来の進路決定の参考にするためとのこと。どうやらSDGsは進路や就活での企業選びにも影響を与えるようになっているようです。SDGsが2015年の国連サミットで策定されてから早8年。そのうねりは大きなものとなって、社会に浸透しています。

引用・参考:「静脈は何色?」講談社の動く図鑑 MOVE(参照:2023-03-24)
人の静脈は灰色! 青は錯視だった」国立研究開発法人 科学技術振興機構.2014-06-16(参照:2023-03-24)
脳がだまされる!?「錯視」の不思議を探ってみよう」WAOサイエンスパーク.2013-10-21(参照:2023-03-29)
世界的EVシフトで勃発するレアメタル争奪戦、「都市鉱山」を日本の切り札に」JBpress.2023-03-15(参照:2023-03-24)
高校生が当社群馬製造所を訪問」東洋アルミニウム株式会社.2022-12-23(参照:2023-03-20)

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